東京高裁民事部の岡口基一裁判官のTwitter問題。
今回明らかになった裁判所と国会のおかしい内容を是非一緒に考えていきたい。
下手をしたら有耶無耶(うやむや)にされてしまいます。国民一人一人にも関わってくる重大な案件です。あなたは、このままの日本で本当に良いですか?
問題の概要
事の発端は2013年6月に遡ります。
東京のとある公園で短いリードと口輪をはめられ、柵につながれたゴールデンレトリバーが主婦によって発見されました。前日からの雨のせいで全身は濡れており、お腹のあたりは泥にまみれていました。
近くに飼い主の姿もなく、捨てられていると判断した主婦は、ゴールデンレトリバーを拾得物として警察に届け出ます。しかし警察に引き渡すと殺処分の可能性があるので、自らが引き取り飼育すると決意します。
それから三ヶ月後の9月中旬に警察から連絡が入ります。
「飼い主が名乗り出てきました。」と。
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主婦はご主人と「何故三ヶ月もの間、名乗り出てこなかったのだろう。」と不思議に思い、飼い主に何度も事情を聞きました。
すると飼い主は「会社の上司で交際相手でもある同居男性が犬嫌いで、その男性が犬を置いてきた。男性を怒らせれば職を失い、結婚も破談になってしまうと思い、何も言えなかった。」
「この男性とは別れ、元夫と再婚するので犬を飼えるようになった。大切な家族だと思っているので返してほしい。」と説明したのです。
しかも主婦が保護をした2週間前にも、このゴールデンレトリバーは放置されていました。その時は近隣の人が保護をしていたのです。
一度ならず二度までも“大切な家族”を放置していたのです。飼い主は大切な犬よりも交際男性との生活を優先していたのです。
この事から主婦は「二度にわたって“家族”だという犬を放置して、今回は三ヶ月も名乗り出てこない。犬の飼い主として信頼できない。このゴールデンレトリバーにとって望ましい飼育環境が確保されない。」と。所有権を放棄したと考え、飼い主への返還を退けたのです。
飼い主の返還要求
翌2014年10月のこと、飼い主の弁護士から「所有権を放棄したことはない」と返還要求を求める内容証明が届きます。また2015年3月には返還要求だけではなく慰謝料請求の訴状が送られてきたのです。
その後、東京地裁で裁判になります。
飼い主の女性の主張は以下のとおりです。
犬の所有権を放棄したことはない
被告には引き渡す義務がある
裁判所の見解は以下のとおりです。
置き去りにしたのは交際相手の男性である
飼い主の女性は、犬が保護されている事を認識しており、犬の生命などに重大な危険がないことを知っていた遺失物法が定める期限(三ヶ月)ギリギリだったが、飼い主の女性は遺失物届けを提出しており、犬を連れ戻すための行動をとっていた
女性が所有権を確定的に放棄したとまでは認められない
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学校教育という日本独自の問題点はここにある!!
結果飼い主の女性が勝訴して、保護をした主婦が敗訴してしまいます。
判決に不服だと感じた主婦は控訴をしますが、東京高等裁判所も第一審を支持、判決が覆る事はありませんでした。判決文に失望した主婦は、上告を断念しました。
動物愛護法では
上記の内容がそもそもの根幹部分です。
動物愛護法では、『動物虐待及び遺棄の防止』『動物の適正な取扱い』『生命尊重』と謳っておきながらの判決です。
また第二条には“動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。”とあります。
交際男性の機嫌を損ねないように、生活と職を守るために、飼い犬を遺棄(いき)する男性に二度も目を瞑る。
挙句の果てには三ヶ月も放ったらかしにする。これのどこが所有権があるのでしょうか。甚だ疑問です。
主婦が保護するのが遅かったら犬は亡くなっていたかもしれません。ましてや主人に捨てられた事は、充分分かるでしょう。心の傷はどうするのでしょうか。
口輪までされて遺棄されていたんですよ。やはりペットとはいえ、動物の事を『物』としか見ていない様に感じます。
こんな不可解な判決には、とても納得出来るものではありません。
・なぜ命を助けた人が負けるんでしょうか。
・なぜ正しい事をした人が負けるんでしょうか。
・なぜ犬の命を救った人が慰謝料を請求されなければいけないのでしょうか。
恥ずかしながら私は、この事件を知りませんでした。
岡口基一裁判官のTwitter
放送では、『岡口ツイッター裁判』として取り上げられました。ちなみに岡口裁判官は、上記の裁判には全く関与していません。私と同じ様に第三者の立場です。
心情は分かりませんが、職業柄なのか事の重大さを広く世間に知ってほしいと思ったんだと思います。
そして問題のTwitter発言に繋がるのです。以下ツイッターの内容です。
Twitter内容
公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、3ヶ月くらい経って、もとの飼い主が名乗り出てきて、「返して下さい」
え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3ヶ月も放置しておきながら・・・裁判の結果は・・・<犬の所有権をめぐる訴訟を報じたニュースへのリンク>
と、発言しました。
すると東京高裁長官は「飼い主の感情を傷つける発言だ」と怒りをあらわにしたのです。
???飼い主の感情を傷つけるもの???
どこの文章が感情を傷つけているのか、私にはさっぱり分かりません。
岡口裁判官は、過去に縄で縛られた上半身裸の男性の写真をツイートしたり、女性殺害の被疑者に対するツイートをしています。そのため過去のツイートで厳重注意を受けていました。
そして東京高等裁判所長官室に呼ばれ、林道晴長官から
「裁判所全体としても重く受け止めざるを得ず、分限裁判も含めて検討する」
「普通の裁判官であれば、これだけのことをして裁判所全体や当事者に迷惑を掛けたら、ツイートを止めるのではないか」
と、1時間近くも激しい口調で迫られたのです。
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東京高裁は、『岡口裁判官のツイートは原告(元の飼い主)の「感情を傷つける」ものであり、「品位を辱める行状」(裁判所法49条)に該当するとして、最高裁に懲戒を申し立てた』のです。
分限裁判とは、裁判官が心身の故障で職務を執ることができないかの判断をするための裁判です。(憲法78条)つまり裁判官を辞めさせる事が可能な裁判です。
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分限裁判
通常ならば『三審制』がとられており、一審、二審と争い控訴・上告をして最高裁に至ります。ですが、分限裁判は『実質一審制』です。いきなり最高裁です。判決に不服があっても、どうする事も出来ません。
しかも分限裁判は、『非訟事件(ひしょうじけん)』に分類されます。
非訟事件手続法、第三十条によると『非訟事件の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。』とされています。しかしメディア各社や懲戒が不当と考える弁護士達の傍聴希望を却下しました。
弁護士ドットコムさんは、登録されている弁護士326人に緊急アンケートを実施しました。
『岡口裁判官の行為は懲戒処分に該当するのか』というものです。結果は、なんと297人(91.1%)が、懲戒処分に該当しないという回答でした。
法律のプロが91.1%も間違っていると言っている案件なのに、傍聴すら出来ない。閉鎖された空間で不当な事が進められるのです。
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実質一審制で、しかも閉ざされた密室で、何が起きているのかも分からない。こんな間違った法律を作ったのは、国会のせいなのです。
国会議員は法律を作るのが仕事ですよね。こんな馬鹿げた事がまかり通っているんですよ。おかしくないですか?嘘と間違いだらけの世界で、あなたはどう生きていきますか?
そしてその国会議員を選んでいるのは、私達国民なんですよ。
さらに最高裁判所裁判官国民審査をするのも、我々国民なんですよ。
まとめ
もう一度、岡口裁判官のツイートを見てみましょう。
Twitter内容
公園に放置されていた犬を保護し育てていたら、3ヶ月くらい経って、もとの飼い主が名乗り出てきて、「返して下さい」
え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3ヶ月も放置しておきながら・・・裁判の結果は・・・<犬の所有権をめぐる訴訟を報じたニュースへのリンク>
この『え?あなた?この犬を捨てたんでしょ?3ヶ月も放置しておきながら・・・』の部分が岡口裁判官の意見・発言として不当だと林道晴長官は言ったわけです。飼い主の感情を傷つけたと。
しかしですよ。番組内で木村草太さんもおっしゃっていましたが、これは岡口裁判官のセリフではなく、主婦のセリフの要約ですよね。ちょっと考えれば分かりそうなものですよね。
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このツイッターの発言で、飼い主の女性の感情を傷つけたと主張している東京高裁長官。
発言の内容は女性を傷つけたものではなく、犬を放置した所有権をめぐる裁判を、より多くの人へ知ってもらうためだとする岡口裁判官。
しかも自分の意見ではなく、女性の要約であると主張しています。
長官は納得出来なかったのか、分限裁判に至ります。
上記の内容では弱いと思ったのか過去のツイートを持ち出してきます。
しかし過去のツイートの件は、すでに厳重注意を受けていますので今回の案件とは関係がないのです。
私の推測では、
裁判の公平性はどこにあるのでしょうか。
不当な理由で、不透明な場所で、一人の裁判官を勝手に辞めさせる事が出来る法律は、誰のためにあるのでしょうか。私にはさっぱり分かりません。絶対におかしいですよ。
こんな国会・裁判所で良いんですか?
あなたも対岸の火事だとか、蚊帳の外ではなく、あなた自身の身にいつ降り掛かってくるかもしれないのです。そんな国に住んでいるんですよ。
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