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倫理問題編

ひきこもりは本当に脱出するべきなのか改めて考察する

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 元号が令和になり新しい時代の幕開けですが、なんとも痛ましい事件が相次いでいます。
5月28日に川崎市多摩区登戸で起きた川崎殺傷事件。
6月1日に練馬区で起きた元事務次官(76歳)が実の息子を殺害した事件。

 

 『ひきこもり』が原因であり、悪だという風潮になっていますが、本当にそうなのでしょうか。一つずつ紐解いていきましょう。

 

 

二つの事件

 

 

川崎殺傷事件

 

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 令和元年5月28日、川崎市の登戸駅付近の路上でのこと、スクールバスを待っていた児童や保護者たちを包丁で相次いで刺しました。被害者のうち2人が死亡、18人が重軽傷を負いました。犯行直後に加害者は自らの首を持っていた包丁で切り死亡しました。この事件の襲撃開始から加害者が自らの首を切るまで数十秒の出来事でした。

 

 加害者は51歳の男性。伯父夫婦との三人暮らしをしていましたが、食事やお風呂、トイレなどのルールを決め伯父夫婦とは顔を合わせない生活を送っていました。家宅捜索の結果、自室からはテレビやゲーム機、漫画や雑誌などは発見されたものの、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器は一切見つからなかったのです。

 

 それどころか同居している一軒家にはインターネット環境自体が無かったのです。

 

 また最近の加害者の事を良く知る人物もおらず、10年以上も病院を受診した形跡もありませんでした。伯父夫婦は加害者の将来を心配し、また自分達は高齢になり介護が必要になった事で、川崎市に相談をして同年1月に加害者へ手紙を書きました。

 

 すると加害者から「自分のことは自分でやっている。食事や洗濯も自分でやっているのに、ひきこもりとはなんだ。」という返答があったとのこと。1月以降に伯父夫婦と加害者は顔を合わせることはなかった。

 

 捜査関係者は「伯父夫婦の訪問介護が家に入ることで、これまでの自分の生活が大きく変わってしまうと絶望を感じた可能性はある。これが事件を引き起こす一因となったかもしれない。」と推測しています。

 

 事件は犯人死亡で謎ばかりが残ります。なぜ罪もない子供達が犠牲にならなければいけなかったのか。動機はなんだったのか。事件を未然に防ぐ事は出来なかったのか。悔やんでも悔みきれません。

 

元事務次官刺殺事件

 

 

 東京都練馬区の自宅で元事務次官(76歳)が同居する無職の息子(44歳)を刺殺した事件が6月1日に起こりました。息子は十数年前に家を出て一人暮らしの経験もありましたが、近隣住民とのトラブルを理由に実家に戻っていたとのこと。

 

 息子はオンラインゲームやSNSをやっていて、過去の投稿で明らかになった事も多々あります。実の母親の事を『愚母』と書き込んだり、母親への怒りや殺意も書かれていました。実際に元事務次官や母親に対して、日常的に暴力や暴言をしていた事も明らかになっています。そんな中、父親の自慢をする投稿も見つかっています。

 

 事件の6日前には元事務次官は、息子から激しい暴行を受けていたと供述しています。そして事件の起きた6月1日には、隣接する小学校で運動会をしていました。その喧騒に対して「運動会の音がうるせえな。子供らをぶっ殺すぞ。」と発言。その後両者は口論となりました。

 

 元事務次官の頭の中に浮かんだのは、四日前の川崎殺傷事件のこと。『このままでは自分の息子が第三者に危害を加えるかもしれない』と。私には計り知れない苦悩と葛藤があったに違いありません。しかし悲しい事に事件は起きてしまったのです。

 

ひきこもりと事件性

 

 

 上記の二件だけではなく、ひきこもりをしていた者が起こした事件は過去にもある。ほんの数例を以下に取り上げてみた。

 

兵庫県加古川市 2004年8月

 

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 2004年8月に兵庫県加古川市で起きた7人を殺害・1人に重傷を負わせた事件が発生。加害者男性(当時47歳)は、職を転々としたのち自宅にプレハブ小屋を建てて自家製パンを製造販売を始めます。

 

 一時は軌道に乗った自家製パンですが、およそ二年でやめており、そこからひきこもり生活が始まり近隣トラブルが多くなっていきました。事件後に加害者は、自宅やプレハブに火をつけて車を走らせて弟に「母親を頼む」と言いに行きます。

 

 そしてガソリンを被って焼身自殺を図りますが、弟に制止された為その場を立ち去ります。自分の車の後ろにパトカーがいる事が分かると、急発進させて信号機に衝突し車は炎上をして、またもや自殺を図ります。警察署員が彼を救出し事情を聞くと

「長年にわたって周囲から『変わった男』と言われたり、悪口を言われた。」
「邪魔者扱いされてきた。」
「積年の恨みを晴らしたかった。」
「一言で表現できる恨みではない。」
「最初から殺すつもりだった。」

と供述しています。

 

愛知県豊川市 2010年4月

 

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 2010年4月に愛知県豊川市で起きた事件。加害者男性(当時30歳)は、十数年間に及び無職でひきこもり状態であった。彼が幼少の頃から朝食は出ず、夕食はカップ麺。それが普通だと思っていた。だから給食だけが唯一の楽しみだったと。両親の仲はあまり良くなく、酒が入ると妻や子供達にあたる事もあったと言います。夕食時に子供達の叫び声を聞いたという近所の人の話しもあります。

 

 加害者は幼い頃から無口で人と上手く話す事が出来ませんでした。後に知的障害・自閉症障害だった事が発覚しますが、両親や兄弟は知りませんでした。ましてや本人さえも、その事実に気づいていなかったでしょう。そして事件の一年ほど前に弟家族が同居を始めます。思い通りの生活が出来なくなり不満を募らせていったのでしょう。

 

 両親は金銭感覚にも疎く、二十歳前後の彼にお金の管理を任せていたのです。しかも十年もの間ずっとです。そしてその事をとても感謝していたのです。

 

 父親のクレジットカードを管理している彼は、インターネットオークション等で300万円ほどの借金を抱えてしまいました。その借金が原因で、インターネット契約が解約されます。するとそれに対して激怒した彼は、二人を殺害し三人に怪我を負わせ、自室の布団に火をつけて家を半焼させるのです。

 

 彼は罪状認否で「(家族を刺した事を)よく覚えていない。(殺意は)わからない。」と発言しています。

 

兵庫県洲本市 2015年3月

 

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 2015年3月には、兵庫県淡路島にて加害者男性(当時40歳)は、近隣の二家族5人を刺殺しました
彼は高校3年生の時に中退をし、しばらくは兵庫県明石市で一人暮らしをしていたようだが、実家の離れでひきこもりの生活を始めます。

 

 彼はSNS等で近隣住民や警察・行政・病院の誹謗中傷を書き込んでいたとみられます。また個人情報一覧表を載せたり、面識のない人の住所・氏名・電話番号と共に誹謗中傷する投稿をしていました。近隣住民とのトラブルも多く、突然怒鳴り込んできたり、激しい口論になることもしばしばあったとの事。

 

 被害者らは日頃のトラブルから警察や福祉事務所・無料法律相談などに複数回相談をしていました。しかし事件を未然に防ぐ事は叶わなかったのです。彼は過去に同県内の精神病院へ入退院や通院をしていて、『妄想性障害』と診断されていたのです。

 

ひきこもり支援に注意

 

 

 近年ひきこもり問題は『8050問題』として多くのメディアでも取り上げられています。1980年~1990年頃に若者特有の問題とされてきた『ひきこもり』ですが、親が70代~80代で子供が40代~50代という高齢の親が中年のひきこもりの子供の生活を支えるという問題です。普段の生活支援もそうですが、高齢の親御さんにとっては、介護や病院代も馬鹿になりません。

 

 自分だけならまだしも、「自分が死んだ後に、この子はどうやって生きていけば良いのか。」と不安に思う親御さんも多いのです。それが「なんで働かないの?」「外に出なさい。」「今後どうするの?」と、当たり前の心配をします。そして言っている事が至って正論なので、子供達は言い返せなくなるのです。

 

 前述した様に警察や行政に相談をしても、中々解決しないのも事実です。藁にもすがる思いで『自立支援センター』などに相談する人もいるかと思います。ただ注意してください。悪徳業者に引っかかる可能性があります。中には悪質な『自立支援ビジネス』が存在しているんです。

 

 「明るい未来に投資しましょう」や「このままだと息子(娘)さんが大変な事になりますよ。」と心の隙間に入り込んできます。そもそも支援プログラムなどなく、ただのアパートの一室に数ヶ月間閉じ込めて、食事もろくに与えず数百万円の請求がくる事もあるのです。

 

 「世間に知られたくない」「近所の人にひきこもりがバレたくない」とネットで安易に調べるのはおすすめ出来ません。ネット上に書いている私が言うのも何なんですが・・・。(笑)

 

 近所の信頼のおける友人や先輩などにはちょっと相談をしにくい場合もあるでしょう。お住まいの地域にある『ひきこもり地域支援センター』や『家族会』などに相談をして解決法やアドバイス、情報収集をするのが得策だと思います。誤っても悪徳業者には引っかからないでくださいね。

 

ひきこもり問題

 

 

隠れひきこもり

 

 一見すると私は『ひきこもり=事件』と結びつけているような誤解を招いたかもしれません。しかし私は決して「ひきこもりが悪い」とか「ひきこもりが事件を起こす」なんて、これっぽっちも思っていません。かく言う私は『ひきこもり』ですからね。(笑)

 

 ひきこもりの定義って知っていますか?一説によれば『趣味の外出やコンビニ等の買い物以外に外出はせず、社会参加をしない状態が6ヶ月以上持続していること。』となっています。しかもこの『社会参加をしない』とは、家に閉じこもっている事を指しているわけではないのです。毎日学校や会社に行っていても、自宅以外の交流が無ければ『ひきこもり』に該当するわけです。

 

 どうですか。間違った認識じゃなかったですか。「もしかしたら、あなたもひきこもりですか?」だって箱(家)から出て箱(電車)に乗って箱(会社)で時間を使い、箱(お店)に行って気の合った数名と食事して箱(電車)に乗って箱(家)に帰る。ほとんどの人がこんな生活を毎日繰り返しているんですよ。場所が変わっているだけで、れっきとした『ひきこもり』じゃないですかね。(こんな事を書いたら怒られるかな。)

 

一億総ひきこもり

 

人間関係を上手に進める本当の意味での対等とは?

   人が生きていくために『人間関係』は切っても切れない問題です。 友人・知人または学校での教師や同級生、先輩や後輩付き合い。職場での上司や同僚との付き合いです。ご近所の付き合いもありますし ...

 

 しかも将来的には『一億総ひきこもり』になる可能性も充分にあるのです。

 

・AIの進化で様々な仕事が奪われる
・インターネットでの商品の購入が益々増える
・会社に出勤しなくても仕事が出来る
・親の介護で働きに行くのが難しくなる

 

などがあげられます。

 

 気づけば三世代で住む事を止めさせられ、核家族化が進んでいます。異性に興味がなくなり二次元の世界に夢中になる。人との付き合いが面倒くさいと感じ、交際や結婚をしなくなる。近所の人とも交流をとらなくなる。他人への関心がなくなり、隣に誰が住んでいるのかも分からなくなる。などなど。

 

 ゆっくりとしかし確実にひきこもりは増えていくでしょう。

 

問題が不透明

 

 

 昨今『ひきこもりだから事件を起こした』と、短絡的に考えている人があまりにも多い現状です。精神的に患っていたり、周囲の視線が被害妄想を生み出したり、人付き合いが苦手だったり、過小評価されていると感じていたりと様々あるのです。それをひとまとめに『ひきこもり』というざっくりとしたカテゴリーで、物事を判断してしまっているのです。

 

 私は事件を容認しているわけでも、加害者を擁護しているわけでもありません。むしろ反対です。どうすれば事件が起きない様にする事が出来るのかを考えております。

 

 例えば『無職』が影響を与えている可能性があります。無職ですので、収入がありません。なので親に金をせびる。または多額の負債を抱えるでしょう。どうにもならなくなって犯行に及ぶ危険性があります。

 

 また両親や他人を尊重出来ない人は、自分の思い通りにならない事に苛立ちをみせます。冷静さを失い平気で暴力を振るう事もあるでしょう。見境がなくなり無関係の人までも傷つける危険性があります。

 

 さらに心が弱く将来への不安で思考が負のスパイラルに陥った人は、自暴自棄になって事件を起こす可能性があるのです。

 

 この様にそれぞれの理由や原因があるのです。全てを『ひきこもり』で片付けるのは、間違っています。例えば腹痛を訴えている患者さんにも、高熱を出した患者さんにも、咳が止まらない患者さんにも「風邪ですね。」と言って同じ風邪薬を処方する様なものです。それぞれ胃潰瘍やインフルエンザ、喘息の可能性があるのです。

 

どうするべきか

 

 

 ひきこもり自体は、決して悪い事ではありません。恥ずかしい事でもありません。諸々の事情で家にいるのでしたら、どうすれば会社に行かずに自宅にいながら収入を得られるのかを知るべきです。ある程度の収入があれば金銭での問題は無くなります。

 

 

 そしてひきこもりをしている人は、視野や世界が狭くなりがちです。テレビやネットでも構いませんが、私が勧めるのは本を読むことです。著者の考えや今まで蓄積してきた有益な情報を簡単に取得することが出来るのです。ビジネス書や脳科学の本など面白い書籍がいっぱいありますよ。

 

 また自分本位の人は、他の人を大切に考え尊重する事を学ぶべきです。人間は自分一人では、ほとんど何も出来ないのです。あなたは洋服や靴を作れますか?米や野菜を栽培できますか?ゴミの処理が出来ますか?電気や水を自力で作り出す事が出来ますか?

 

 そうなんです。自分一人で生きていくのは、非常に難しいんです。なので生きていく事は感謝する事なんです。こういう事を理解していない人は、ワガママな行動をする事も多いのです。そういった人には哲学書や心理学の本が良いでしょう。

 

 世の中は驚くほど理不尽です。満員電車に毎日揺られて、痴漢被害を受ける女性たちも大勢います。痴漢の冤罪で苦しむ男性たちもいます。

 

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 会社に行っても『お金のため』と、やりたくもない仕事をして、道理に合わない上司の言う事を聞き、勝手な言い分をする顧客をなだめて、飲みに行っては上司や同僚の悪口で盛り上がる。そんな日々を送っている人が、ほとんどです。そうした日常が健全だと彼らは言うのです。

 

 だったら自宅にいながら好きな事をして収入を得て、他人に感謝と尊重を持って生きる人になる。視野や思考を広く持って、限りある時間を有意義に使った方が、人生は得をします。世界は想像以上に広いのです。赤点ばかりで勉強が出来なかった私が言うのも可笑しいですが、一つ一つ学ぶ事があなたの将来を明るく照らしてくれる事でしょう。

 

 ひきこもりが悪いのではなく、心と頭を閉じ込めて時間だけが虚しく過ぎていく方が、物事が悪化する原因だと私は思います。あなたが選んだ書籍の表紙が輝かしい明日への扉かもしれませんよ。

 

まとめ

 

 

 人は考えているようで、あまり考えていません。ニュースを見ても明らかで、『ひきこもり』が事件を起こしたと報道するでしょう。物事の本質や原因を突き止める事はしません。コメンテーターも同様に感想を述べるだけです。それを見る視聴者も「またこんな悲しい事件か・・・。」で終わってしまいます。誰かが何とかしてくれるだろうと思っているのです。

 

 偉そうな事を書いていますが、私も100%理解をしているわけではありません。まだまだ発展途上です。そんな現時点の私は「ひきこもりを脱出するより、その時間を学びに費やせ!」という意見です。勘違いしてほしくないのですが、ひきこもりを推奨しているわけではありません。

 

 ひきこもり自体は悪くはないですが、たまには外に出るのも良いですよ。だって勿体無いですから。好きな事、楽しい事、大好きな人、ちょっと難しい問題、あふれる笑顔、感動する物語・・・様々な物から遠ざかっているんですから。

 

 太陽の光を全身に浴びて、虫の声を耳に風流を感じ、紅葉の美しさを愛でて、夜風を肌に感じるのも結構良いもんですよ。ひきこもっているだけじゃ時間だけが刻々と過ぎていくだけです。気づいた頃には老人ですよ。

 

 周囲の人達は、無理に『ひきこもり』をやめさせようとしないでください。本を読ませて知識をつけさせてあげてください。知識は力になります。敵は昨日の自分なのですから、将来高く跳ぶための助走となるでしょう。

 

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