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社会問題

虐待に対して考えるべき事と行動する事とは

更新日:

 

 

 『虐待(ぎゃくたい)』という言葉を聞くと本当に涙が出てきます。書いている今も心が苦しく非常に辛いです。そんな私の感情云々よりも、きちんとお伝えして理解を深めてもらい、虐待自体が無くなる方が重要だと考えます。

 

 一人でも多くの人が認識して社会全体として虐待に対してどうするべきか。我々はどうするべきなのか。どう考え、どう行動するのかが、今回のテーマです。

 

 

虐待とは

 

 

 虐待とは肉体的に暴力をふるったり、暴言や侮辱による言葉の暴力、無関心や無視をするなどを繰り返し行う事を言います。ですがまだ定義が不確定なものもあるんです。

 

 教育熱心な親が過干渉で勉強を強要したり、学校内でのいじめを知っていて事態を放置する教師、会社などの組織内での上司らのパワハラも虐待に当てはまるのではないかと議論されています。

 

 2018年に模範囚の男が、刑務所の作業場から脱走しました。彼は半年後に仮釈放が決まっていましたが、脱走という選択をしてしまいました。
 決して許される行為ではありませんが、なぜ残り半年が待てなかったのか私は不思議でしょうがなかったのを覚えています。約三週間にわたる逃走後に逮捕され事情聴取で理由が明らかになりました。

 

 彼は「他の受刑者からいじめを受けていた。」「刑務官から虐待をされていた。」「半年後に出られるのは判っていたが耐えられなかった。」と話しています。大の大人でさえ逃げ出してしまいたくなるんです。これが子供や高齢者に対する逃げられない状況だったと考えたら恐ろしいです

 


 

 2002年に公開されたドイツ映画『es(エス)』というのがあります。実際に1971年にアメリカで行われた監獄実験を題材にした小説の映画化です。
 新聞広告で募集した20人の男たちを擬似刑務所で、『看守』と『囚人』のグループに分けて二週間それぞれの役を演じるという実験です。
 役を演じているだけなので、無事に二週間が過ぎると思われていましたが、些細ないざこざで看守側と囚人側の対立が激化していきます。

 

 「言う事を聞け!」という看守グループ。「間違っている」と訴える囚人グループ。終いには死亡者まで出てしまいます。
 まだ見ていないのでしたら一度見てみてください。人間の深層心理の恐ろしさが見事に表現されていますよ。

 

 本人達は役を演じるだけのはずが、自分の言う事を聞かせたい、他人を抑圧したい、権力を誇示したいと無意識での行動が加速していくのです。
 実は躾けだと勘違いして虐待をしている大人達も多いのではないでしょうか

 

虐待の種類

 

 

 母親が子供を虐待する、また父親が子供を虐待する、もしくは両親で子供を虐待する児童虐待。
高齢になった実の親を成人になった子供が虐待する高齢者虐待。
 職場の上司や同僚からの虐待。教師が生徒に対する虐待。刑務官が囚人に対する虐待。障害者に対して従事者による虐待。
 保育士による園児に対する虐待。医師や看護師による患者に対しての虐待。
時には警察官が行き過ぎた取り調べによる虐待と、数え上げたらキリがありません。

 

 内容も身体的に暴力を与える『身体的虐待』。心理的に被害者を追い込んでいく『心理的虐待』。
嫌がる相手に無理やり性交渉をする『性的虐待』。無視をしたり育児放棄をする『ネグレクト』。

 

 

 そして虐待は人間だけとは限らず、ペットへの虐待も問題視されています。餌を与えない。散歩に連れて行かない。暴力を振るう。病院に連れて行かない。最近ではSNSの投稿で事件が発覚した事例もありました。本当にペットを愛しているのか疑問です。

 

 本当に悲しい事ですが、世の中は虐待で出来ているのかと思ってしまうほどの多さです。

 

虐待と躾(しつけ)の違い

 

 

 良く問題として取り上げられるのが『虐待と躾の違い』です。
どこまでが躾で、どこからが虐待かという・・・。

 

 元々しつけは、モラルやマナーを教えるためです。急に飛び出したら危ないとか、おもちゃを片付けないといけないとか自発的に考えられる様にするべき行為です。
 それが上手く出来ないからといって「なんで言う事を聞けないんだ!」と暴力を振るい出したりします。本来の目的である『教える』という事が、『自分の言う事を聞かせる』ためと変わってきているんです。

 

 確かに中々親の言った事を聞かない時はあるとは思います。しかし聞かないからといって暴力を振るうのは違います。だって自分の教えるのが下手だという可能性もあるわけですから。子供のせいにばかりしてはいけないのです。

 


 

 前述の映画『es』でもそうですが、権力や暴力で自分の言い成りにさせるのは『相手を支配』しているだけです。脳内ではドーパミンが大量に放出されているんですから、そりゃあ気持ち良いですよ。
 目的が言う事を聞かせる事に変換されて、支配するという欲求が満たされるのですから。
これはもう躾でも何でもない単なる虐待です

 

 中にはこんなケースもあります。自分の息子が所属するスポーツクラブのコーチをしている父親の話しです。他の子供達の前で息子に対してだけ罵倒をする。ちょっとしたミスでも蹴り上げる。お前は持久力がないと延々とグランドを走らせます。
 見かねた他の保護者が注意しにいくと「息子とは信頼関係で繋がっています。強くなりたい息子の為です。他人には言われたくない。」とのこと。

 

 罵倒したり蹴り上げる事で強くなるとは、とても思えません。自分の虐待を正当化するための言い訳でしかないのです。要は虐待と躾の違いを本人は気づいていない事もあるという事です

 

虐待の原因

 

 

 虐待の原因は様々あるでしょう。先程の躾と勘違いをして支配欲から虐待する人もいます。また故意に虐待をしている人もいます。自分本位で相手が辛い表情をしていたり、泣いたりしているのを見るのを楽しんでいる輩もいます。

 

 ストレスが原因だとか、育児ノイローゼが原因だとか、単なる憂さ晴らしだとか色々な見解があります。ネット上だけでなく、書籍にもそういった内容が書かれているものが多いです。

 

 否定するつもりもありませんし、原因の追求は問題解決には必要な事だと思います。
しかし本当にそれらが原因なんでしょうか。子供の時に体罰を受けた人は、自分の子供に虐待をする可能性が高いというデータもあります。
 また体罰だけではなく、ネグレクトを受けていたり、親の愛情を感じなかった人達は同じ様な傾向が見られます。

 

 

 もしかしたら何世代も前からの問題なのではないでしょうか。目の前の事ばかりに気が行ってしまい、児童相談所の拡充とか窓口の整備とか早急な対応を要求しています。確かにそれも大切です。しかし根本を改善しないと問題は一向に解決しないのではないでしょうか。

 

 例えば臭い生ゴミがあったとして、いくら蓋をしても、いくら消臭スプレーを吹きかけても生ゴミはそこにあります。いつ蓋が外れるかも分かりません。消臭スプレーをかける回数が増え続けるかもしれません。問題解決はゴミ集積場に持っていってもらうか、自宅で堆肥に変えるかしないと生ゴミは無くならないのです。

 

 私は結局虐待が起きる前が大切だと考えます。心のケア、人間形成をする事です。私達には多かれ少なかれ欠点があります。私なんて欠点だらけですよ。まずは自分の欠点を知り、相手の欠点も認める事です。欠点の無い人なんていないんですから。

 

 そして自分勝手な考え方ではなく、相手の立場になって物事を考える様にする事です。相手を尊重して共存している事実に目を向けます。なぜって、どこまで行っても私達は対等なんです。立場が上も下も無いんです。

 


 

 虐待は決して他人事ではありません。何ヶ月後、何年後に自分がなっている可能性だってあります。
反対に虐待を受けている可能性だってあるんですよ。もしかしたら気づいていないだけで、現在進行系かもしれませんよ。

 

虐待をなくす

 

 

 以前とある母親の相談に乗った事があります。その方は子供が言う事を聞かないという怒りが、暴力になってしまう。それは数時間から下手をすると翌日まで怒りが収まらないと語っていました。
 頭では可愛い子供に手を出すのは良くない事だと判っていても、つい手が出てしますと。

 

 前述の様に、『子供に教える』『子供に考えさせる』という事柄が、『なんで言う事を聞けないの』という目的に変化して怒ってしまうとの事。そもそも『子供に教える』『子供に考えさせる』というのは、怒っていては出来ないのです。

 

 『怒り(いかり)』『怒る(おこる)』は、感情です。感情のままに行動をするから間違えるんです。目的が変わっている事にも気づけないんですよ。
 東名高速のあおり運転でご夫婦が亡くなった事件も注意された怒りからの行動です。指導係だった上司からの虐待が原因で、巡査が背後から拳銃で射殺したのも怒りの感情です。
 虐待も同様です。怒りの感情のままに行動すると、結果は悪くなるばかりなんですよ。

 

 だから私は母親に言いました。

 

高橋
いつか子供を殺してしまう日が来るよ。怒りに任せて行動してはダメだよ。なんで言う事を聞けないのか、自分の伝え方が間違っていないか、子供はどう考えているか、どう思っているのか、あなたはどうしたら良いと思う?

 

 すると母親は「子供が何を考えているのか分からない。」

 

高橋
だったら分かろうとしなきゃ。話し合わないと。

 

 「はい。」と言って帰っていきました。
後日連絡があり、どうして言う事を聞けなかったのか、どうすれば良いと思うかが分かったそうです。
そこからは一切、手をあげていないとの事でした。子供と良好な関係になったそうです。

 

まとめ

 

 

 虐待を受けた人は心に大きな傷を持ち、脳は萎縮してしまいます。
将来自分の子供に同じ様な事をしでかすか、鬱になったり、自殺を選択してしまうかもしれません。そうなる前に手を打つべきなんです。

 

 アフターフォローも大切ですが、事前の対策も重要なんです。
一人でも一匹でも一頭でも虐待が無くなる日が、早く来る事を望んでいます。

 

 相談には乗りますが、突然家に訪ねて来るのは止めてくださいね。
私が何もしていなくても監禁や軟禁で訴えられてしまいますからね・・・。(笑)

 

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